ダービーという言葉を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。
ライバルクラブ同士が戦う、普段の試合とは全く異なる雰囲気になるダービーマッチは世界中で見られますが、Jリーグにも同様に存在します。
今回はJリーグにおけるダービーについて論じてみましょう。
ダービーとは
ダービーとは、ライバルクラブ同士が戦う試合のこと。ダービーマッチなどとも呼ばれます。
元々はイングランドの都市ダービーにおいて、強いライバル意識を持つ2チームの試合が名物として知られていました。それが各地に広まったと言われています。
ダービーの特徴は何といっても他の試合とは圧倒的に異なる緊張感。
強いライバル意識を持ったクラブ同士での戦いで、スタジアムはホームサポ―ターの雰囲気に包まれ、海外ではアウェイ側のサポーターは身の危険を感じるほど。
実際、ヨーロッパクラブのダービーマッチではアウェイサポーターは完全警護された上でスタジアムに訪れたり、両チームのサポーターの間で傷害事件が起こるなど、度々危険な事態が起きています。
日本ではここまでの事態になることはほぼないですが、それでもいつも以上に緊張感に包まれた試合を楽しむことができます。
日本におけるダービー
Jリーグにおける代表的なダービーは以下です。
静岡ダービー
清水エスパルスとジュビロ磐田による静岡ダービーは最も有名なダービーの一つ。
サッカーが盛んなことで知られる静岡にある2大Jクラブの試合は非常に盛り上がります。
対戦成績は2019年6月時点でジュビロの13勝6分け16敗と、清水がややリードをしています。
磐田も清水も最近はJ2降格を経験するなど上位に食い込めていませんが、いずれはJ1上位での静岡ダービーも見たいですね。
大阪ダービー
大阪ダービーは大阪府に本拠地を持つガンバ大阪とセレッソ大阪のダービー。
通算成績ではガンバの26勝8分け13敗と ガンバが大きくリードしています。
ガンバは一時期リーグ、天皇杯、ナビスコ杯の三冠を果たすなど黄金時代を経験したこともあって、その時代の影響が大きくあります。
さいたまダービー
さいたまダービーはJ1経験クラブで唯一、同じ市にホームスタジアムを構える浦和レッズと大宮アルディージャのダービー。
対戦成績は浦和の19勝7分け9敗と浦和がリードしています。
特質すべきは埼スタでの成績です。大宮のホームのNACK5スタジアムでは8勝4分け6敗と浦和がややリードに留まりますが、埼スタでは浦和が11勝3分け3敗と大きくリードしています。
多いときでは6万人は入り、真っ赤に染まる埼スタのプレッシャーはやはり大きいのでしょう。一方で、NACK5では大宮は健闘しているとも言えますね。
多摩川クラシコ
多摩川クラシコとはFC東京と川崎フロンターレのダービーのこと。
FC東京のホーム、味の素スタジアムのある調布市と、川崎市の間に多摩川が流れていることから名づけられたダービーです。
このダービーの特徴は非常に試合のレベルが高いこと。
川崎フロンターレは2017年、18年と連覇をしており、またFC東京は2019年6月時点で J 1首位です。
このように高順位をキープし、技術・戦術ともに洗練された両チームの戦いは味の素スタジアムでも等々力でも非常に盛り上がります。
東京ダービー
東京ダービーは、どちらも味の素スタジアムをホームとするFC 東京と東京ヴェルディのダービーのこと。
J2以上のチームでメインのホームスタジアムを共有しているのはこの2チームのみであり、他のチームのダービー以上に独特の雰囲気があります。
通算成績はFC東京の12勝4分け4敗。
東京ヴェルディがJ2に降格したこともあり、リーグ戦では2011年を最後に行われていません。
千葉ダービー
千葉県にホームタウンを構えるジェフユナイテッド千葉・市原と柏レイソルのダービーのこと。
このカードの特徴はは公式戦で8年間行われていないこと。ジェフがJ2に降格したこともあり、2010年を最後に行われていませんでした。
しかし2019年は柏がJ2で戦うということもあり、久しぶりの公式戦でのダービーが行われます。
なおシーズン開始前のプレシーズンマッチとして、毎年「ちばぎんカップ」という名称でこの2チームの親善試合は行われているため、サポーターにとってはおなじみのカードとなっています。
他にも日本各地で隣県同士や、縁のある地域のクラブ同士の戦いをダービーと名付けられている例は多数あります。ぜひ地元のクラブにもないか調べてみましょう。
ダービーの楽しみ方
このように多くのシリーズがあるダービーですが、共通した楽しみ方のおすすめをまとめてみました。
①いつも以上に熱いホームサポーターの雰囲気を楽しむ
いつもの試合以上に負けられないということで、ホームサポーターの声援は熱を帯びます。
普段観戦に行かれる方でも、そうでない方でも、熱狂的な雰囲気を楽しんでみましょう。
②気合の入った選手のプレーを楽しむ
ダービーでは選手も同様に気合いの入ったプレーを見せてくれます。
いつも以上に走行距離が増えたり、あるいは際どいプレーでも激しく行ったり、ファウル覚悟のプレーをしたりなどです。
そういった気持ちをむき出しにする選手を見てみるのもダービーならではの楽しみといえるでしょう。
③(上級者向け)あえてアウェイ側で参戦して団結感を強くする
これはある程度観戦慣れしている方向けですが、実際に自分が応援しているチームのアウェーでのダービーに行ってみましょう。
アウェイチームのグッズを身につけていると、ダービーでは相手サポーターから敵意を向けられることも多々ですが、それもまた独特の楽しみ。
団結感から、自チームの他サポーターとの絆も深まるでしょう。
なおカードによっては完全に隔離されていたり相手チームのサポーターと接触すると一触即発の雰囲気になることもあるので、必ず注意してください。
総括:感情をむき出しな姿を楽しんで
歴史的な経緯やライバル心の高まりなどから、いつも以上に選手もサポーターも感情を露にする機会がダービー。
そういった場を楽しめるのもまだサッカー観戦ならでは。是非Jリーグ観戦の新たな一面を見出してみてください。
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