ゴール裏でいつも熱く応援し、選手を鼓舞するサポーター。
強いチームは応援の統制もとれており、スタジアムの雰囲気を自らのチームに引き寄せるような力を持っています。
そんなサポーターが集まるゴール裏ですが、特にあまり観戦経験のない人から見ると、
- 応援のルールがわからなくて入りにくい
- チームのどういった点で魅力を感じているだろうか
- そもそも、なぜそこまでのめりこむようになったのだろうか
などの疑問を持つことでしょう。
そこで今回は、大宮アルディージャのサポーターの方にお話を聞きました。
あまり観戦経験のない方、これからどのチームを応援するか決めていきたいという方、ぜひ御覧ください。
選手との距離に圧倒された初観戦
- 自己紹介をお願いします
東京都に住む20代男性です。
出身は埼玉県で、就職を機に東京に移ってきて今に至ります。
大宮駅までは現在の最寄りから1時間弱ほど。
ホームゲームはずらせない予定がない限りほぼ全試合観戦しています。
- 大宮を応援するようになったきっかけを教えてください。
元々スポーツ全般は好きでしたが現地観戦はほとんどしたことはなく、野球を年に1,2試合見に行く程度でした。
サッカーもルール程度はわかりますが、代表戦くらいしか見なくくらいのライトユーザーでしたね。
転機となったのは、友人が昔からのアピスパ福岡サポということがあり、試合観戦に行こうと誘われたことでした。
出身地的に浦和より大宮が近いので、それならば大宮の試合だろうということでNACK5スタジアムに行ったのが初めてでした。
クラブ最高順位となった2016年のことでした。
- 初めて試合に行った時の感想を教えてください。
とにかく選手との距離の近さ・迫力に圧倒されました。
眼の前でプレーを見ると、テレビで見ていたとき以上にプレースピードの速さや細かい技術のうまさに魅了されるんですよね。
当時は大宮の選手は家長選手くらいしか知りませんでしたが、その場で各選手を調べ、覚えながら観戦したのを覚えています。
また、大宮では選手入場前に歌われる「叫ばずにはいられない」というチャントがあるのですが、それにも感動しました。
最初は何が起きているかわからなかったのですが、突然の静寂のあとにスタジアムが一体となって歌いだしたこと、そして「大宮への愛を歌う」「俺たちの街の誇り」という歌詞に地元意識がとても揺さぶられたことは、また何回も来ようと思ったきっかけの一つでしたね。
- 確かに地元意識というのは重要なキーワードですよね
そうですね、Jリーグのよいところですが日本各地にチームがありますし、地域密着をどこも進めているので、自分の出身に近いチームを見つけやすいですよね。
埼玉のサッカーチームといえば浦和レッズの方が全国区かもしれませんが、自分は大宮エリアで育ってきたということもあり、自然に大宮の応援をはじめました。
地元出身選手の多さに魅力を感じた
- その後はどれくらいの頻度で観戦するようになったのですか?
2017年は結果的にJ2降格してしまった年ということもあってあまり勝てず、当時のライト層だった自分は4,5試合ほどホームで観戦したのみでした。
やはり、ある程度愛着が深まるまでは、負けてばかりだとなかなか行くのは厳しいのはありましたね…
本格的にスタジアム通いを始めたのは2018年からです。
42試合中ホーム15試合、アウェイ5試合程度で計20試合ほど行きました。
これほど一気に行った一つの理由としては、クラブが地元密着の方針をより掲げ始めたと感じ、勝敗以外にもこのクラブが今後どうなっていくか、という点に興味を持ったことです。
それまでから補強方針を変え、埼玉出身の三門雄大選手や笠原昂史選手をを補強したり、生え抜きでサポーターからの人気の高い富山貴光選手が復帰したりなどですね。
ただネームバリューや能力で短期的にチームを作るのではなく、より大宮愛の強い選手たちで長期的視野のチームを作るという意思を感じたのは魅力でした。
もちろん、勝ち試合を多く見れるというのも当然魅力ではありましたね。
- その頃からずっとゴール裏で応援していたのですか?
いえ、ゴール裏1階席で応援するようになったのは夏の終わりくらいからでした…
それまではバックスタンド席や、NACK5の場合立っての応援はしないゴール裏の上方席から見ていました。
当然選手やチャントは早い段階で覚えきっていたのですが、なんとなく「あのゴール裏1階に行っていいのだろうか」という漠然とした恐怖感はありましたね。
今思うと、もっと早くから入って問題なかったなあと。
- ゴール裏に行けるようになったきっかけは何だったのですか?
特に大きなできごとはなかったですね。。。笑
たまたま一人で行った試合で行ってみたら、何も問題なく入れ、問題なく応援できました。
チャントをある程度覚えたくらいでもっと早く行っても全然問題なかったはずかなと。
クラブ・チーム双方の取り組みに魅力を感じる
- 観戦するようになって感じた、大宮の魅力を教えてください
上でも延べた、地域密着という点は大きいですね。
さいたま市は全国で唯一J1経験のあるクラブが2つある自治体ということもありますし、またその相手が浦和ということで、単純に地元を巻き込んでいくのは難しいクラブです。
そんな中でも、大宮区や地元商店街との関係性を良好することで、例えば大宮駅の東口一体は全ての電柱にアルディージャのフラッグが掲示されています。
また、埼玉県内各地でのスクール活動や、ユースチームの強化。更には最近では埼玉出身選手や大宮の下部組織出身選手を優先して獲得しています。
そうした姿勢はとても魅力ですね。
また、プレー面では、非常に調子の波が激しいというのは良くも悪くも特徴です。
かつては2013年に21戦無敗のJ1記録を作ったあと翌年に降格する、というように元来波は激しいのですが、今でも試合によって圧巻のパフォーマンスをしたり逆に非常に調子が悪かったりと激しいですね。
今年(2019年)に高木琢也監督が就任してからは、堅守かつ相手を研究した老獪な戦略をとれるチームになってきているので、
そういった意味では今後が非常に楽しみです。
考えすぎずに、まずはどこでも試合に行ってみるのが大事
- これから応援するチームを決めていく、という人に向けてのメッセージはありますか
深く考えず、まずは試合を見に行ってみるといいと思います。
地元でも、出身地でも、とりあえず知っている選手がいるから、でもなんでもいいので、どこかのチームにふらっと行ってみましょう。
見る中で、スタジアムだったり応援だったり特定の選手だったりと、何かと引っかかるものが見つかると思います。
そうしたら、少しずつ調べて知っていけばいいと思いますね。
Jリーグはどこもファン獲得のために様々な取り組みをしていますので、単純な勝敗を見てもいいし、チームの雰囲気や取り組みを見て気に入ったところを応援する、でも全然いいと思いますよ。
勝敗に一喜一憂しつつも、生活にサッカーがどんどん入ってくると、生活が豊かになります。
ぜひ楽しい観戦生活を送ってください。
編集後記
大宮サポーターの方に話を伺いました。
「どの要素を気に入るかは行ってみないとわからないので、まずは観戦に行ってみるといい」というのはまさにその通りだと思います。
下記記事も参考に、ぜひ観戦に行ってみてください。